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【書評】マーケティングとは組織革命である

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考えて練った提案が通らずに却下されてしまった経験はありませんか?
会議で意義ある発言をしたと思ったのにスルーされた経験はありませんか?

社内で提案を通すスキル=マーケティングだったんです。

USJをV字回復させたことでしられるマーケッター森岡毅さんの著書マーケティングとは「組織革命」であるの紹介です。

本書に書かれているのは大きく分けて2つ。
・人の力を活かす組織作りの本質
・下から提案を通すスキル

では気になった部分を抜粋しながら見ていきたいと思います。

理想の組織は人体

人間は危険を感じたときに脊髄反射で素早い回避行動を取ることが出来ます。
シャワーが熱湯だったとき、脳に次の行動を判断させていたら考えているうちに大やけどです。
すなわち人体は感知→判断→行動のサイクルをスムーズに回すことが可能です。

これを会社に置き換えるとどうでしょう。
大きい組織ほど、現場と意思決定者の間にラグが生まれるのではないでしょうか。
中間管理職が上の判断を待たずに現場を動かす、脊髄反射のような行動を取れる組織は少ないと著者は言います。
そして脳の判断を仰いでいるうちにダメージを負ってしまうと。

人体には依存関係はあれど上下関係はありません
しかし、人体と違って会社には色々なしがらみがあり組織の神経伝達回路が破壊されているのです。

一例が上下関係です。
下の立場からだと意見は言いにくい一方、上司は上司で下の意見を聞きません。
業績の悪い会社でこんな機能不全を起こしていたら何も変わりません。
そのうち心臓が止まります。

いかにも日本人的で僕自身も身に覚えがある構造です。

こういう組織になると忖度ばっかりするようになり、誰も正しい判断ができなくなるのが一番の問題。

これを防ぐために、脳は適度に権利譲渡して脊髄反射を受け入れるべきです。

人間の本質は自己保存

本書を貫くキーワードが『人間の本質は自己保存』です。
自己保存とは心理学でいうところの変わりたくないという人間の性質です。

人間は基本的に変えたくないんです。
今のままが心地良いし、安全だし、変えることはリスクだからです。
変わりたくない気持ちは人間の本能だと思います。

その点を踏まえると人間の行動基準は『個人>組織』になります。

以前僕の会社の社長は朝礼で「社長に対する意見、文句歓迎」と言いました。
社長からすれば本当に社員の声を聞きたかったんだと思いますが、自己保存という人間の本質に反しているので言えるわけがないんです。

組織を作る上ではこの相反するベクトルを一致させる必要があるというのが著者の主張。

詳しくは本を手に取っていただきたいのですが、ヒトを活かす組織作りの本質だと思います。

「相手の欲しいもの」として提案できるか

ここからは下から意見を通すことに関する話です。
読者の大多数が関係するのはこちらかと思います。

本書は『マーケティングとは組織革命である』というタイトルですが、この章の内容に関しては『組織革命とはマーケティングである』って感じです。

つまり上司や会社を顧客と捉えたとして、あなたの伝え方・提案は顧客に対して行うものになっていますか?という話です。

クライアントに対し、自分の都合を押し付けて好き勝手やってるビジネスパーソンはいないと思いますが、社内の提案はどうでしょうか。
自分都合のひとりよがりな提案になっていないでしょうか。

自分の言いたいことを「相手の欲しいもの」として提案できるかが大切で、それを可能にするのがマーケティングのスキルだというのがこの部分で述べられていることです。

下っ端社員である僕たちは、上司もまた自己保存の生き物であることをしっかりと念頭に置いておく必要があります。
顧客に対してそうするように、上司の課題を分析し、便益のある提案をして買ってもらう必要があるのです。

まとめ:マーケティングとは組織革命である

自分の意見を「相手の欲しいもの」として提案するためにはマーケティングマインドが欠かせません。

そういった意味で『マーケティングとは組織革命』なんですね。

この本を勧めたいのは、なんといっても経営者の方です。
ヒトを活かす組織作りの参考になることが沢山書かれていると思います。

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